an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

岸和田のだんじり

重さ四トンのだんじりを走りながら一気に回すのは容易ではない。
だんじりにはハンドルが付いていないし、構造的に元々曲がることを想定してつくられてはいない。
やれないことをやってしまう。それも過剰に、いともたやすくやってのける。
そこがいい。それがたまらんのだ。

      江弘毅岸和田だんじり祭−だんじり若頭日記−』より

さあ、全国の岸和田出身指名手配者がこの日のために帰ってくるよ。
・・・岸和田だんじり祭に行ってきました。

18日(日)、雲が多い空模様ではあったものの気温は高く、歩くだけで汗ばむほど。
前日の17日(土)が悪天候、そしてNHKの連続ドラマの撮影隊が来ているとかいないとかもあってか、それはもうたいへんな賑わいであった。

だんじりは思っていたよりたくさんの人数で曳いている(子供も多い。小さな女の子はみんな髪をコーンロウにしていて可愛い!いないのは成人女性だけ)。
そして次々と鮮やかな“遣り回し”を披露、それはそれは見事なもんだ。
だんじりに乗っている人たちなどは、「者ども、俺様に続けーー!」くらいのことは言いそうなドヤ顔揃いで、そりゃさぞかし気持ちがいいことだろう。


      


      


そして、その大量の曳き人たちがどんどんやってきては、アイスキャンデーなぞ食べながら道いっぱいに広がって休憩したりするので、半被のお祭野郎たちと見物客とで善男善女老いも若きも入り乱れ、ただでさえぎっしり立ち並ぶ露店で狭くなっている路上は、前にも進めず後退もできない人間たちでヒトカタマリの混沌と化してゆく。
そこへ、「実力においては警視庁と、恐ろしさにおいてはヤクザとタメを張る」といううわさ(←冗談です・・・スイマセン)の大阪府警の皆様がぞろぞろとお出ましになり、下手に道路を横断しようものなら、ものすごい怒号がとんでくる(まあ、たしかに危険なのでしょうがないのですが)。また、人波をかきわけてけたたましく救急車がやってくる(都合4回遭遇しました)。
ああまったく、聞きしに勝る荒っぽい祭であることよ。
・・・このように、見物だけでもけっこうタイヘンなわけだが、心躍る楽しい祭であることは間違いない。
少しでも興味がおありなら、ぜひ現場で観ることをおすすめする。


     

     


前述した江さん(←内田センセイのブログに“だんじりエディター”として登場する方です)の『だんじり若頭日記』では、「1年中頭の中が「だんじり」ばかり」という当事者が祭を写真・図入りで丁寧に解説、また伝統に基づいた諸行事や段取りを詳細に記録、それらをオモシロ大阪風味で料理した、楽しいだんじりエッセイです。
行きたいけどなかなかねえ・・・という方はぜひこちらをどうぞ。


(2011年9月29日記)