an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

日記

なんで今?

・・・と思いつつ、 ドラマ版も解説版も見てもうた。おもしろかった。昭和史には黒い謎が多い。 私は“清張:黒いシリーズ”ではなく、こちらから入ったのですが。 下山事件 最後の証言 完全版 (祥伝社文庫) 作者:柴田哲孝 祥伝社 Amazon この本はすごくおもしろ…

2024元旦

ああまったくもう、なんという正月だろうか。 あの阪神大震災より危機感を感じた揺れだった。 どうか、大きな被害にならないよう。 辰年ということで。 鳥山明は「ドラゴン」に縁のある人。車とか飛行機とかメカを描くのがうまい人ですが、「ドラゴン風の」…

メッシと私

もう寝ようかというタイミングの深夜・・・うっかり最後まで見てしまいました。 サッカーにはまったく疎い私でも名前と顔くらいは知っている。アルゼンチンが生んだ稀代のサッカー選手。 過去にJリーガーを目指していた人と同じ職場で働いていたことがあるのだ…

2月26日・・・

なので、名ドキュメンタリーを見返したりしていたのですが・・・ (YouTubeで観れる!!) www.youtube.com 青年将校が20代~30代の若さであることに改めて驚愕しています。なんという時代だったのか。彼らのことをもっと知りたい。北一輝の不気味なフィクサー…

古本まつりの記録

今更ながら、知恩寺古本まつりの成果はどうしても書き留めておきたい。興味のある方はぜひ手に取ってみてください。 ◆『思い出す事など』夏目漱石◆ 思い出す事など 他七篇 (岩波文庫)作者: 夏目漱石出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1986/02/17メディア: 文…

ある日。

吉村昭『零式戦闘機』『破船』、大江健三郎の初期短編、安彦良和『虹色のトロツキー』など、連日凄みのあるものばかりをガツガツ読んでいて、ハタと気が付いた。 ・・・・・・いくらなんでも色気がなさすぎる(読む本に)。 そうだ、驚異の新人と目されるあの人の…

映画メモ

最近楽しんだ映画2本ばかりを一言コメントで。 ◆『ハンナ・アーレント』マルガレーテ・フォン・トロッタ監督 この渋い作品が岩波ホールを連日満席にしているという。 かの有名なアイヒマン裁判に関わった哲学者ハンナ・アーレントの思考の軌跡と葛藤がメインテー…

中川六平という人

犀のマークでおなじみの出版社、晶文社の名物編集者に中川六平という人がいる。晶文社の本を何冊か愛読しているとはいえ、その名を知ったのはごく最近で、今年の9月に急逝されたことも知らなった。 その中川六平さんをよく知る二人が、京都で追悼対談をする…

外国人が見た日本、日本人が見た外国

ゆる〜い異文化体験エッセイが人気の昨今ですが、ちょっと変わり種2冊を紹介しよう。どちらも素敵な表紙だ。 ◆『英国一家、日本を食べる』マイケル・ブース著◆ 英国一家、日本を食べる (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ)作者:マイケル・ブース亜紀書…

古本まつりの秋

さて秋も深まり、書店や新聞紙上では推薦図書の紹介など読書期間アピールに余念がない。 読書の秋?・・・・・・・わたしゃ今更そんなぬるいことは言わないよ。 ズバリ「古本まつりの秋」なのだ! 11月の本命・知恩寺を前に、前哨戦として(?)四天王寺の古本まつりへ…

『「青鞜」の冒険』

秋の深まりを感じる穏やかなこの季節に、恐縮ながら剣呑な話題を一つ。 先月、京都府K市で30代女性が帰宅途中に刺殺された事件を記憶している方はおられるだろうか。実は私はこのK市民でありまして、近所とはいえないまでも現場付近をよく知っているし、第一…

高野山で読む本は③

長閑な情景に次第に翳が広がってゆくような、センシティヴな梶井の小説も、小粋で愉快な『パイプのけむり』も旅先で読むのにピッタリ。 ・・・と思いながら結局持っていったのは、この清浄の地にまったくそぐわないこちらの小説。 アメリカン・デス・トリップ …

高野山で読む本は②

高野山の宿坊に泊まるのは初めてだ。どんなところか以前から興味津々だった。 「大部屋雑魚寝ってことはないにしても、殺風景な小部屋でひょっとするとTVやエアコンがなかったりするのでは」「宿泊料も安いだろうし、合宿とかで騒がしかったら嫌すぎる」「よ…

高野山で読む本は①

夏の大きな仕事が一段落したので、ふとした思いつきで残っていた夏季休暇2日を土日にポンポンとくっつけてみた。行楽の季節のちょっとした長期休暇に心躍ったが、今から誰やらと相談・段取りして遠出をするほどの期間の余裕もないので、前から行きたいと思っ…

蜂蜜

セミフ・カプランオール監督のトルコ映画『蜂蜜』。 “ユスフ三部作”(壮年期を描いた『卵』、青年期は『ミルク』)の一つとして作られた本作は、幼年期のユスフを描いたものだ。 お父さんの仕事は蜂蜜を取ることだ。ロバを連れて森に分け入り、巣箱を仕掛ける…

日本の小説

「僕は外国の小説しか読みません。 なぜなら日本の小説は全然おもしろくないから。 漱石、太宰、一体どこがおもしろいんですか?」 ツイッターで見かけて「うひー」とのけぞった発言の一つだ。 新潮クレストブックス、白水社Uブックス、ブッカー賞受賞作あた…

北の無人駅から

残念ながら差向いで話をする機会になかなか恵まれないが、「ICT」とか「アントレプレナー」とか「社会参画」とかいった言葉をナチュラルに口にし、多忙な日々の合間を縫っては被災地に足を運ぶ、知的でエネルギッシュな同僚がいる。万事にものぐさで日陰者の…

ラ・フォル・ジュルネびわ湖 2013

今年のテーマは「至福の時〜19世紀からのフランスとスペインの音楽〜」 前回はロシアの濃い方々がドラマティックでエモーショナルな音楽を繰り広げたが、今年はガラリと趣向が異なり、小粋でおしゃれでespritに富んだフランスとスペインの音楽家たちが勢ぞろ…

Music Non Stop

80年代90年代のサブカルチャー・エキスをたっぷり吸って育った、いわば「サブカル女子のなれの果て」である妹は、自分が昔聞いていた音楽を、今でも子供と一緒に喜々として聴いている。 中でも幼児と最高に相性がいいのが電気グルーヴで、色鮮やかなアニメー…

観た映画とか

さて、締めくくりは「連休中に観た映画つながり」◆レオス・カラックス『ホーリー・モーターズ』◆ まるで近未来都市みたいなピッカピカのグランフロント北梅田を呆然と眺めつつ、スカイビルにて鑑賞。 パリ市内をゆっくりと進む白いリムジン、そこには疲労した…

読んだ本とか・・・その②

さて次は・・・そうねえ、「新進気鋭の学者つながり」でどうだ。 ◆『カブラの冬』藤原辰史◆ カブラの冬: 第一次世界大戦期ドイツの飢饉と民衆 (レクチャー第一次世界大戦を考える)作者:藤原 辰史人文書院Amazonサブタイトルに「第一次世界大戦期ドイツの飢饉と…

読んだ本とか

あれこれ書きたいことが溜まって、さて何から始めようかといった塩梅なのですが、一つのキーワードでつながるものがポンポンポンと思い浮かんだので並べてみました。よろしければ、お付き合いください。 ▼▲▼ まずははこちらから、キーワードは「震災後」。非…

2013アカデミー賞授賞式

毎年恒例アカデミー賞授賞式の雑感など少し。 今年の司会はセス・マクファーレン。 ヒット作『TED』も観ていないし、どういう人か全然知らないのだけど、チャーミングな笑顔で際どいジョークを連発、「なんか全体的にチャラいし品がない」というような感想も…

コーダの世界

医学書院といういかにも堅そうな名の出版社に、「ケアをひらく」と名付けられたシリーズがあるのをご存じだろうか。 最初の出会いは『べてるの家の「非」援助論−そのままでいいと思えるための25章』だった。似顔絵や四コマ漫画がいっぱいのニギヤカなページ…

SPレコード蒐集奇談

さて、まずは岡田則夫の快著『SPレコード蒐集奇談』を紹介したい。 SPレコード蒐集奇談作者:岡田 則夫ミュージックマガジンAmazon著者がSPレコード蒐集に目覚めたきっかけは、正岡容の著作にふれたことだという。 正岡容は落語など寄席芸能の研究家で、多く…

移動祝祭日

◆A・ヘミングウェイ『移動祝祭日』◆ 移動祝祭日 (新潮文庫)作者: アーネストヘミングウェイ,Ernest Hemingway,高見浩出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/01/28メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 27回この商品を含むブログ (51件) を見る20年代のパリは「音…

母の遺産

ではでは、いつものように最近読んでおもしろかったものを取り上げてみよう。 ◆水村美苗『母の遺産』◆ 母の遺産―新聞小説作者:水村 美苗中央公論新社Amazon水村さんについては『續明暗』の頃からその高評は知っていた。 デビュー作でいきなり『明暗』の続編…

2013年初買、初読

とうに2月に入っているのに初買いも初読みもなかろうとは思ったが、日記初めの景気づけに選んでみましたこのネタ、便乗して皆さんの「初物」もぜひ聞かせてほしいこともありご容赦いただきたく。 ▼▲▼やっぱ何かに淫している人が書いたものはおもしろいからね…

映画とか

最近観た映画で特に楽しんだもの。 サム・メンデス監督『スカイフォール』そして『麻雀放浪記』和田誠監督007/スカイフォール [DVD]出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン発売日: 2013/08/02メディア: DVDこの商品を含む…

古本まつりあれこれ

さて、古本まつりの成果はやはり記しておきたい。 成果とはいっても、私はいわゆるの“古本マニア”では全然ないので、骨董価値の付くような本を探し出すスキルは持ち合わせておらず、そこらでフツーに売っている本ばかりを買うことになる。が、新品同様の美本…