an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

気ままな一人旅

      
      

ウェス・アンダーソン監督の『ダージリン急行』を観る。
おトボケ3兄弟のインド珍道中。オフビートな笑いのセンスとしんみりさせるエピソードのバランスが絶妙で、小物と音楽の使い方もおしゃれで、大変楽しめる作品に仕上がっております。おすすめです。

めっきり暖かくなった日差しの中、こういった映画を観ますと、ふらりと気の向くままあてのない一人旅なんぞに出てみたいものだ・・・と思わずにはいられません。ええ、“ほんとうの自分”など探すまでもないわい、と思っている私のような者でも(笑)。
そういう旅に出る最大のチャンスであったはずの大学時代は、クラブづけの日々であったし、その後は有給休暇?なんですかそれは的怒涛の会社員生活になってしまったし、あこがれの気ままな旅はついに果たせぬかと思われた・・・が、しかし。
・・・その10年後、あまり賢明とも思えぬ「退職」と引き換えにそのチャンスをものにしたのでありました。
そこで、行ってきたんです、単身カナダへ。
特にたいした計画も目的も持たず、異文化の中をただふらふらしてみようと考えた。英語しゃべれません。ま、なんとかなるかと思って。
・・・なんとかなった(笑)。
京都市内の碁盤の目の中でさえ迷うという驚異的な方向感覚のこの私が、バンクーバーの街を闊歩し、GasTownを練り歩き、StanleyParkを散策し、GranvilleIslandでショッピングをし、バスに乗って郊外の吊り橋公園などにも足を伸ばしている。
・・・どうやって行ったんだろう・・・(すでに記憶が曖昧・・・笑)。
梅田や京都よりずっとわかりやすい街だったんでしょう、きっと。
そして、バンクーバーもビクトリアも実に美しい街でした。
このように、わりに順調に気ままな旅を満喫していた・・・つもりではあったのですが、実のところ、心細くて落ち着かない気分でいることも多かったように思い起こされます。

・・・旅に出て、己の器の小ささを再認識(笑)。これもまたよし。

(2008年3月16日記)