an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

そうだ、福島、行こう。

今、国内旅行に行くならば目指すべきは北である。

・・・思い立ったが吉日とばかり、段取りよく同行者を探しだし有給休暇を申請し、そこそこイケてる宿をおさえ観るべきものと買うべきものをピックアップし、ぬかりなく旅割飛行機チケット(およそ半額!)まで入手を済ませ、もしかしたらちょっとくらいは紅葉が見られるかもねウフフフフフ・・・と忍び笑いなどしつつ万全の態勢で出発の日を待った。

・・・・・・が、雨だよ(笑)。
旅行期間中ずっと日本全国津々浦々で雨模様。
それまで散々好天続きだったというのに・・・
筋金入りの雨女としての自分の手堅い実力に思わず感服した。
まあいいさ。雨の磐梯山もそれはそれで風情があることだろう。「がんばろう東北」とつつましくペイントされた小さな飛行機で、いざ福島へ!
空はどんよりしているものの、傘不要の霧雨程度、やれやれ、これならなんとか予定通りに動けそうである。
だがさすがに「磐梯高原にて五色沼近辺の散策」は諦めて(1時間以上歩く気分にはなれない天候でした・・・)、「森のくまさん」なるキュートなバスで桧原湖を周遊することに。あたりには大小多くの湖があり、好天ならばエメラルド・グリーンの見事な湖面を楽しむことができたはずだが、残念ながら真っ白にしか見えず(涙)。
しかしそれでも高原の木々は緑、黄緑、黄色、赤と濃淡重なり合い、車窓から鮮やかな姿をみせてくれた。たくさんの紫陽花が紅葉して赤紫っぽい色になっているのもすてきだ。この時期ならではの細やかな色彩のグラデーションは後を引く美しさだった。
(陽の光がないとコンパクト・カメラごときではやはりきれいに撮れません。無念なり)
      


      


高原の休憩所でお昼は「けんちんうどん」。
だいこん・ごぼう・にんじん・きのこ・ねぎ・厚揚げ・こんにゃく・・・と具だくさんのうどん、これがうまかった。肌寒い季節にうれしい一品。
これだったら自分で作れるかもな、味噌仕立てにして・・・いや、「いろんな具をちょっとずつ入れる麺類」って案外めんどくさいんだよ、やっぱ作らない(笑)。


      


      

続いて夕食は会津若松郷土料理。
目にも鮮やか、こんなに食べきれるだろうかと思うほど次々に出てくるお料理をそれぞれおいしくいただきました。
素朴な山菜料理にお肉は霜降り、というシンプルと豪華のバランスが絶妙。


翌日は会津若松市を散策、この日も曇天なり。
駅の外観が天守閣を思わせるデザインだったり、白虎隊の銅像があったり、「さあ、どんどんお出かけくださいよ!」という福島随一の観光都市としての気合と配慮を感じるたたずまいだ。駅周りには「ハイカラさん」「あかべぇ」なる、観光地を中心に市内を周遊する路線バスの他に「ピカリン号」「エコろん号」「みなづる号」などコミュニティバス、病院周遊バス(←これはどの地域にもぜひともあってほしいもの)などそれぞれの目的に応じた愛らしい意匠のバスが多数待機しており、くるくると軽快に街中を走っている。町家風にアレンジした酒屋さんやカフェなど工夫を凝らした店舗が多いし、街歩きやサイクリングも楽しめそう。いいとこだなー、ここ。

そして飯盛山では白虎隊の時代に思いをはせ・・・さざえ堂なる怪建築に進入し・・・

      

      


鶴ヶ城にも足を延ばしてみた。
改修工事が済んだばかりとかでお城はピッカピカ、お庭なども手入れが行き届いていて、どこもかしこもきれいなところです。


      


私は時間をキッチリ刻んであくせくあちこち行く旅行がとても苦手で、たいてい行き当たりばったり、別にいいじゃん迷っても〜というウツケぶりなのですが、今回はわりと事前準備も整えて「磐梯山を眺め会津若松をうろうろする。福島産りんごを買って帰る」というミッションを無事果たすことができた上(←それすら果たしていなかったらもはや行く意味ないというほどのハードルの低さ・・・笑)、温泉に浸かってお蕎麦を食すこともでき、充実した旅だったように思う。

やはり福島は米どころであり酒どころ。
ちょっとした食堂やおみやげもの屋にも多くの種類の日本酒が並べられていて壮観でした(日本酒って名前とかラベルがゴージャスですよね)。
・・・酒飲みは今すぐ福島に行くべき。



      

飛行機から撮った富士山。どこから見ても様になるなあ、この山は。



(2011年10月19日記)