an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

本日読了

池波正太郎の食通エッセイが大好きな私。
これはかわいらしい挿絵付きでお得感ありますで。

こちらは解説から。

着物を粋に着こなし、またスーツをダンディにまとう。酒や食の作法はもとより、物の道理に精通し、男の流儀、嗜みにおいて、他人をして池波正太郎を模倣せずにはいられない、はっと光る、確たる魅力を放っていたといえよう。しかもそれはこの時代、池波正太郎その人に限ったことではなく、じつは社会のいたるところに、いわば氏の分身のような男が、あちこちに存在していた。つまり「大人」という人種が、世間の主役として、ときに粋人などと呼ばれ、町のあちこちに生息していたということである。わたしはそう記憶している。
いま世間を見渡しても、こういう、物の道理に精通した「大人」という人種を発見することがない。老人と子供は溢れているが、街から大人が消え去ってしまったのである。