an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

五百羅漢図

幕末の絵師・狩野一信が描いた秘蔵の羅漢図100幅を一挙公開!

赤瀬川原平さんは「モツの煮込みに見えた」といい、山口晃さんは「何もそこまで」といった「五百羅漢図」。観にいってきました、江戸東京博物館へ。(両国国技館の隣!)


      

      
      


HPでチラリと見たその絵があんまり凄まじかったので、現物はさぞかし・・・と、ほとんど“恐いもの見たさ”のミーハー気分で覗いてみたのだが、いやはやまったくとんでもなかったですね。こんな、こーんな絵が、描きも描いたり100幅も!
仏画のはずなのにあくどくケバく、エグい顔つきの方々・・・全然ありがたくないんですけど(笑)。
絵の中の情報量が多すぎてなんか落ち着かないし(収拾ついてない、ともいう。笑)、頭頂から水を噴射していたり、宝玉や鏡から光のビームを発射していたり、顔の皮を剥いでみたり(皮の下は観音さまの尊顔)、お腹を割って中の観音さまを鹿に見せていたり、まるでマンガだ。そのトンデモ劇画に圧倒されつつ、大昔の人が、大真面目にこんな絵をガンガン描いていたと思うとなんだかうれしくなってしまった。・・・いつの時代も変わり者は健在だ。


知人に「太田螢一の絵みたい・・・」と言われましたが、はい、たしかに似ています。


      

           ↑ こんなですけど(笑)。



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ついこの間まで東京は買占めだの停電だのイベント軒並み中止だのといった暗い話ばかり聞いていたけれど、私の目には人と物とで溢れかえって華やかな、いつもの東京だった。確かに地下と銀座の繁華街の夜はちょっと暗かったような気がしたけど、言われなければ気がつかなかっただろうし。


(2011年5月3日記)