- 作者: 中島らも
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1994/03/04
- メディア: 文庫
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これは自伝的な要素を多く含んだ小説ですが、アンバランスで危ういムードながら、本質的には真っ当な人であったことがよくわかる。
依存症という精神の危機を、砂山が少しずつ崩れてゆくようにリアルに描いていますが、(主人公のアル中以外の)生き生きした登場人物と、コントみたいに挿入される病院生活のエピソードによって悲壮感はありません。偽善も自己憐憫も全くなし。あの鋭い目で自分を突き放す、潔い人です。そういう人が危機をどう克服し、迫りくる越えてはならない一線をどう踏みとどまるのか。この小説は、しんどい時のちょっとした妙薬になるかもしれません。
・・・小説のラストはさわやかでしたが、現実の世界ではさあどうだったのでしょう。
(2006.2.19記)
>追記
おもしろい人がいなくなって本当に残念、とは思いますが、長生きするタイプの人ではないですね。
(・・・真っ当・・・じゃない、たぶん。笑)
早速奥方が暴露本を出したときはやれやれ・・・と思ってしまいました。
これもよく読んだな。
- 作者: 中島らも
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 1995/10
- メディア: 文庫
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