an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

『不肖・宮嶋南極観測隊ニ同行ス』宮嶋茂樹

白髪の悪ガキカメラマン。去年京都で写真展をしていたので見にいきましたら、本人がいました。年配のお客にペコペコ頭をさげている様子を見て好感をもち、「なぁなぁ、ホンマにロシアでお姉ちゃん買ーてんの?」などとはとても聞けませんでした。

さて。なにしろ書いているのがあの勝谷氏であるので、冒頭からとばしまくり、ちょっと悪ノリしすぎているきらいもありますが、それもご愛嬌ってことで。

マイナス40度の中での観測隊の感動的な仕事ぶり、とかじゃなくて彼の下世話な興味と好奇心によって語られる隊員たちはエリートどころかただの「ヘンな奴」・・・プロジェクトX度はかぎりなくゼロに近い。まぁ、現場ってこんなんかもしれないな。キツい任務とバランスとるためにあえてキツいボケかます・・・というか。
さすがの不肖宮嶋も、南極内陸部の観測隊のあまりに過酷な労働と環境に悲鳴をあげています。「周りはクレバスだらけだから、落ちると死ぬよ。拾うの面倒くさいから、脱走なんて考えないでね」っていうセリフがすてき。彼の若白髪はこの南極体験からすすんだそうです。さりげなく朝○新聞とかピースボートをおちょくったりしているところも笑える。いやぁ〜、いつでもどこでも体当たり、しかも現場で使える男っていいもんですね。 (2006.2.18記)


>追記
この度の震災でも、被災地をあちこち飛び回って働いているそうです。
政治的な発言には正直なところ「・・・!?」と思ったりもしますが、彼の怒りはいつも胸にまっすぐ迫ってきます。