an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

『素敵なダイナマイトスキャンダル』末井昭

 ≪編集する人びと・番外編≫

たぶん、私はそれほどお世話になることはなかろうパチンコ雑誌やエロ雑誌の編集してる、西原マンガでもおなじみ末井どん。雑誌の内容はよ〜知りませんが、あんまりケッタイな人なので取り上げてみました。
母上がこともあろうにダイナマイトを使って不倫相手と心中するというキョーレツなエピソードから始まり、エロ本作りにまつわるドタバタ話を中心にした著者の青春記といった趣です。と言っても、アラーキーとか赤瀬川さんとか大物、けっこうからんでます。あなどれません。
「エロ本のテクニックはいかにうまく予告編を作るかなのであって、ガバッは反則なのだ。このウラ本と呼ばれているガバッには、精神的余裕というものがまったくありません。」なんて言葉には、なるほど、ナニゴトにも哲学ありか・・・などと思ってしまう。
ただの「ボーヨーとした人物」(by南伸坊)かと思いきや一筋縄ではいかぬ面ももちろんあります。なかなかに観察眼が鋭く行動力もありながら、物事に執着心全くないし(奥様にだけは執着があったようですが!)、金銭感覚もまともじゃないし、あらゆる面で身を守るっていう本能的なものも若干欠けておるようです。そのニヒリスティック味とマヌケ味が絶妙・・・と言えなくもない。つかみどころのない脱力感を味わってみてください。 
(2006.3.4記)


>追記
あまりにも自分と違う人って、逆に興味がわくものです。
こちらもいかがですか。分厚いですよー。