- 作者: 向田和子
- 出版社/メーカー: ネスコ
- 発売日: 1999/04
- メディア: 単行本
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・・・では何故この本に興味をひかれたか。それは彼女が大変な別嬪さんだったから(笑)。実妹である和子さんの手によって、若かりし向田邦子の秘蔵の写真が多く掲載されています。意志の強そうな目線をまっすぐに向けて、しゃれたワンピースを着てベレーをかぶる彼女は本当に美しく、かおり高い白バラのようです。
一番身近にいた人が書いているのでエピソードにことかかず、かしこくて話が上手で、何でも知ってるお姉ちゃん−仕事に悪戦苦闘するお姉ちゃん−遠い過去と大切な人を慈しむ暖かいまなざしを感じるいいエッセイです。
おしゃれや洋服に関するエピソードが特に印象的で、ハーフコートを徹夜で作ったり(!)、古着でスカートを作ったり、一晩で妹たちの帽子とミトンを編み上げたり、やると決めたら全力投球。昔の人ってみんなこうだったのか・・・?
この人は、世を忍ぶ(死語・・・)苦しい恋愛をしていたけれど、自身のことは何も語らず、人のことはささいなことでも察して気配りするような女性であったようです。これほど魅力的な人ならば、世のキレ者女性陣があこがれてやまぬはず。
久世光彦氏の『触れもせで 向田邦子との二十年』。
こちらは色っぽくて切ない。おすすめです。
(2006.7.23記)
>追記
現在でも折に触れ、彼女について書かれた本が出るようです。
私はやっぱりこれ。
- 作者: 久世光彦
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2009/04/08
- メディア: 文庫
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