an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

『JAPANESE GIRL』矢野顕子

JAPANESE GIRL

JAPANESE GIRL

ちょっぴりシュールなテクノ・ポップ、Jazzyな音、ほのぼの母さんな音、リリカルな引き語り・・・多彩な表現力を持つ矢野顕子ですが、ここでは彼女のデビューアルバムを紹介しましょう。現在とはとずいぶん趣が違うので、困惑される方が多いんじゃないかな。でも、彼女のファンならぜひ聴いてほしい1枚です。
こんなアルバムを二十歳そこそこで作ってしまうとは・・・恐るべし。

矢野顕子との出会いははるか昔の高校生時代。凡庸かつ鈍感な一高校生にとって、その音楽はこれまで聞いたことのない衝撃的なものでした。
着流しをきて江戸の町を笑いながら徘徊している狂女」(但しエロ味なし。笑)のようなイメージと細野晴臣氏が評した(ホントにそんなかんじ)ように、「この人、ちょっとヤバい・・・」という気配がしたのです。しかし、ヤバいものは人を惹きつける力があるのだった。

音から音へ、こっちからあっちへ空間を自在に浮遊してあふれる音がとまりません、といった感じが聞けば聞くほどなんとも心地よい。和(民謡とかわらべ歌とか)の素材をポップスにしたというのも、当時珍しかったような気がします。
「気球に乗って」「電話線」「へこりぷたぁ」が特にぐっとくるなあ、私は。
(2006.1.17記)


>追記
『グッド・イブニング・トウキョウ』『峠のわが家』などは今でも時々聴きたくなります。大好き。