an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

本日読了

 

書籍には「自己啓発本」なるジャンルがあって、どうやら需要もそこそこあるらしい。「こうすればこうなる」「私はこうして成功しました」みたいな内容と推測されるが(←雑)、こちとらもう半世紀以上も生きてて中途半端にやさぐれた人間であるため、もうタイトルだけですみやかにご遠慮してきた。

著者が橋本治もしくは小田嶋隆だったら躊躇なく手に取るだろうがどちらも故人。まあしかし、20年後くらいにアタマもいい感じにボンヤリしてきたらうっかり読んじゃうかもしれない。ほら、人って断言に弱いとこあるから。

・・・というわけで本書だ。いうなればマチダ流自己啓発本。おもしろかった。

そう、「笑える自己啓発本」だったら今すぐ手に取るのにやぶさかではないよ、と思った次第なのだ(何様)。

 

・・・けっこう深酒する人だったのだね。依存症手前くらいにね。そんな人が「こうすればこうなる(かもよ)」と書いたのが本書なのだが、これを大真面目に「自己啓発本」として実践した人がいたらぜひお近づきになりたいです。

不言実行、である。

(中略)

ご婦人に、「ちょっと棚を吊ってくださらない?」と依頼され、「棚の歴史」「棚の構造」「棚と文学」「なぜいま棚なのか」なンどについて語るばかりでなかなか吊らず、喉が渇いたから茶を呉れなどと言う奴と、なにも言わず道具箱を持ってきて、棚を吊って黙って帰っていく奴とどちらが婦人に持てるだろうか。考えるまでもないことである。