an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

新年にふさわしい一作-『RRR』を観る

まだ劇場で観られる方、あるいは年明けてもなんだかしんどいな、元気出ないなという方は新幹線乗ってでも駆けつけて大画面で観るといいと思います。

 

 

噂には聞いていたけど、いろんな意味でノックアウト。すげえ(←雑)。

我々は映画を観ているとき視神経から脳へ伝達する過程である程度の情報処理をして「まあ素敵」などと感じたりしていると思うのですが、コレはなんかもう中枢神経直撃、画や音楽がダイレクトにどぉーんと響き、脊髄反射で「ブラボオォォォ!!!」ってなる感じです。何度か無意識に笑いがこみ上げてきた(こわい)。

バーフバリはファンタジーっぽいヒーロー譚だったけど(すごいよコレも)、今回はけっこうバイオレンスで残酷描写多めなんですが、あれですね、様式美。歌舞伎に近い表現だと思う(たぶん鶴屋南北とかそのへん。歌舞伎観たことないけど)。ヒーローはとんでもなく無敵で殺しても死なないタイプ。敵側は憎らしく過剰にサディスティックで、愛する妹や許嫁は可憐で美しい。構図がわかりやすくてシンプル、派手で荒唐無稽。そう思うとかつての日本人はそういうものを愛好していたんですよね。現代とずいぶん違うのがおもしろいよな。

 

ま、理屈はどうあれ映画の快楽を存分に味わえる作品です。3時間があっという間。ぜひ!!!