an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

新年度

桜のつぼみも膨らみ、春の訪れを肌に感じる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょう・・・・・・おっと違う違う、これは職場HPスタッフ・ブログ用の文言だったわ。
毎回ネタに呻吟しつつもめでたく5年目突入、現在も絶賛連載中である(←この調子で自分を鼓舞しないと誰も読まない文章など書いてられません)。

新年度を迎えるにあたって環境が変わり心機一転、引き締まった気分でおられる方も多かろうと思うが、私は昨年と何一つ変わることなく、上司よしりん(仮名♂)とは比較的気安い仲でもあり、まずは平常心でのスタートとなった。・・・とはいうものの。
私が所属している組織は各事業部のほか店舗やカフェが複数あり、それぞれ現場の状況と予算に即して「週に1日だけチラリと現れる人」、「週に3・4日来るアルバイトな人」、「短時間でとっとと帰るパートさん」、「障害者雇用枠のパートさん(体調に山あり谷あり)」、「フルタイムだけど嘱託(残業禁止!)」、「れっきとした正職員(残業OK♪)」・・・と様々な勤務形態の人が混じりあって運営している。・・・こういう職場環境というのは、主に待遇や業務分担の面で細かいもめごとが発生しがちであり、しかも女の人がたくさんいる場というのは、どういうわけかこれまた何かとこぜりあいが多いのである(ご存じのとおり、福祉業界というのは女性が圧倒的に多いのです)。
そこへ、「今度やってくるトップは天下り」というあまり愉快でない事実も加わって、鬱陶しい気分で春を迎える人も少なからずいるときく。あれこれ納得ずくでここでの仕事を始めたものの、理不尽な局面に遭遇するたび募る不満・・・これは個々人の努力だけでは解決できぬことも多いわけで、ある程度の時間をかけて自分なりの落としどころを見つけてゆくことが必要だろう。そしてここぞという時には、はっきり意思表示できるようにしておかないとな・・・かくいう私も思うところ多々あり、なんとなくモヤモヤした気分で歩く帰り道。フト見ると前方の電柱に禍々しくもどこか間の抜けた、異様の空気を放つポスターが。 

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思わず「出たーーーっ!!」と心の中で叫んでしまう。モヤモヤ気分吹っ飛ぶ。
渡辺文樹
映画監督である。監督・脚本・主演・編集のみならず、営業・宣伝から上映の手配まですべて自分でやるという(許可なくしてこんなものを公共の場に貼りつけるのは軽犯罪にて、もちろん前科者である)。
聞き及んだところでは、監督の偏狭な政治的見解に基づいて行った無茶な突撃取材をまとめた、なんやゴタゴタした感じのドキュメンタリーであるらしく、天皇とか赤報隊とか今は亡き将軍様とか、とかく過激な論調に傾きがちな主題をお好みだ。
・・・・よくよく見ると上映場所が「ひとまち交流館 京都」とある。
ひとまち交流館といえば、社会福祉協議会やボランティアセンター、高齢者デイケア、障害者作業所カフェなどが入る大型福祉系公共施設。そんなハートフルでウェルフェアな場に、こんなあからさまに胡乱な人物がすさまじく胡散臭い映画を引っさげて踏込んでくるというのである。

・・・あまりのことに、ぐぐっと興味を引かれたものの(←引かれたのか・・・)、バスに乗ってわざわざ観にいくほどのもんではないと賢明にも判断、代わりに山村浩二さんのすばらしく詩情豊かな手描き短編アニメ『マイブリッジの糸』を観に行きましたとさ。
めでたしめでたし。


後日談:上映会は2日とも中止だったらしい。
監督、やる気があるのかないのかどっちだあ!!



(2012年4月4日記)