an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

ペンギンブックスのデザイン

とある洋書読みの方のブログでその存在を知り、最近マーケット・プレイスでずいぶん安くなっていたので、やれうれしやと購入。
フィル・ベインズ著『ペンギンブックスのデザイン』

ペンギンブックスのデザイン 1935-2005

ペンギンブックスのデザイン 1935-2005

だいたい世の動植物の中には「なんというグッド・デザイン!」と感嘆せずにはいられない姿かたちをしたものが多く生息しており、ペンギンなどはその代表格といっていいくらいだ。常日頃からそのように思っていた私、このビビッドなオレンジをバックにした愛らしいペンギンの姿に一目惚れし、内容もあんまり確認しないまま入手してしまった。

・・・本がまだ大金・小金持ちだけの娯楽だった頃、一般の人たちにも広く、安く良書を読んでもらいたい、という気持からペーパーバックを多く出版したイギリスのペンギンブックス。他と画するところは、廉価でも表紙デザインに凝ったところ。もちろんトレードマークはペンギン。ペリカンやパフィンもいるわよ!
・・・ふーん、そんなの全然知らなかったな・・・という私のような浅学な者でも充分楽しめる本だ。
美しい表紙がふんだんに掲載され、デザイナーや著者の様々なエピソードあり(『メディアはメッセージである』を植字工が間違えて「マッサージ」としてしまったのに、著者M・マクルーハンが狂喜した、という有名なエピソードものっています)、ブックデザインに関するトリビアルな記述も多く、盛りだくさんの内容だ。


      
          

ことにタイポグラフィ、デザインにおける「文字」の持つ力には大いに感心させられた。
(ほんの少しの位置の違い、大きさ・太さの違いで見違えるようなものになる、という事例がたくさん載っています)


                         


わが国では菊地信義さんというすばらしいデザイナーがいるが(講談社文芸文庫!)、やはりアルファベットの持つ直線、そのシャープな姿はとても見栄えがするしカッコいい。・・・まあ、ここまでとはいわないまでも、日本の文庫のデザインも「もうちっとなんとかならんもんかねえ」と思ったことでした(笑)。


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最近心に残った新旧2作。スポーツものでまとめてみました。
インビクタス 負けざる者たち』『栄光のル・マン』


      

      


まあ、どちらも物語としてはシンプルで、いってしまえば「苦難に立ち向かって辛勝する」という筋書き通りな展開である(あ、ル・マンは違うか・・)。
なのに何故こんなに感動的なんだろう。
もうイーストウッドは本当にすごいですね。初めてマット・デイモンがいい役者に見えました。マックィーンは言うに及ばず。
おし、今年はがんばるぞ!という気持になります、こんな私でも。


(2011年1月7日記)