an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

豊臣秀次公430回忌記念イベント

・・・ということで出かけてまいりました。

 

実は私は戦国武将への関心がうすくて、豊臣秀次?はて誰だっけ?くらいな認識だったのだが、雨月物語柳家さん喬?京都?行かねばならぬ!・・・となった次第。こういった情報をタイムリーにキャッチできるネットはやはりありがたい。

このイベントを企画された菩提寺であるところの瑞泉寺(HPもポップで素敵)は三条京阪・・・・・・私の庭じゃねえか(うそ。笑)。

さて件の秀次公とは豊臣秀吉の姉の長男、すなわち甥っ子で、当時ナイスな後継ぎがいなかったため、やむなくこの甥っ子に関白の地位を引き継がせた、と。しかしその後側室淀君に息子が生まれ(秀頼)、引き継がせたもののわが子可愛さに次第に疎まれることになり、自害に追い込まれた、と。数多の奸計・陰謀も作用していたであろう、戦国時代にありがちな話。

その後三条河原で首をさらされ、正室側室(10代20代の娘さんよ!)幼い子供含めて34人を公開処刑したという。根絶やし皆殺し。当時の権力者の倫理観やメンタリティを推し量ることは不可能だが、その途方もない残酷さには気が遠くなる。

その血まみれな処刑現場、三条大橋のふもとには菩提を弔う寺が奇跡のように現代の喧騒の中に静かに佇んでいます。

(おっ、いいタイミングでお着物姿のご婦人が・・・)

 

 

しっとり五月雨の中、手入れの行き届いたお庭には躑躅が満開。

そしてさん喬師匠の落語は初めて。ううう、楽しみだ。

 

 

御年75歳でいらっしゃるようだが若い。すごく声に艶がある。

会話の端々に漂う繊細な感情の起伏、ふんわりしたユーモアの空気。おお、これは一級品だわ・・・

ほれぼれしていたらいよいよトリの雨月物語「仏法僧」。

高野山で荒ぶる秀次公の怨霊登場というので身を乗り出し息をのむ思いで聴きいっていたが、予想に反してなんとも風雅な怪談であった。さすが上田秋成

 

 

こうして連綿と弔いと鎮魂が行われている場にいると、自分が歴史の大河の中に浮かんでいるような、不思議な感覚を味わいますね。お寺の中は異空間。

今のところ信仰や宗教になじみが薄いわたくしですが、やはりそこは懐深く得るものが多いと感じた好日でございました。

合掌。