an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

最近読んだ本とかオスカー授賞式とか

・・・さて本日は、有給休暇を取って大阪・造幣局の桜通り抜けへ。
「人が働いている時に遊ぶって最高。ふふ・・」と黒い笑みを浮かべつつ現場に到着してみたらすんごい人出だ。・・・まったく、平日に遊んでいる人多すぎ。 それはさておき、色とりどり(黄緑とかある!)、泡のかたまりみたいなモコモコ感あふれる八重桜を堪能してきました。春爛漫。・・・寒かったけど。


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若松孝二が『実録・連合赤軍あさま山荘への道程』を撮ったのが2008年、小熊英二が『1968』を上梓したのが2009年、山本直樹は現在『レッド』連載中・・・あの時代(60年代から70年代初頭にかけて)に起こったことを改めて考えてみたいという人が途切れることなく現れる。
やはり特筆すべき時代だったんだろうと思う。
私のような者でも『二十歳の原点』や『三島由紀夫VS東大全共闘』あたりは読みかじっており、自分のお気楽な大学生活を思い返してみては少なからず畏敬の念を覚えたものだ。
・・・だがそんなのんき者もいつしかいい歳になり、社会に出て生きていくのは大変なことだと身にしみている今現在、もし仮にそういう学生たちが現れたとしたら「税金も払ってない分際で主張だけするんじゃないっ。難しい言葉を使えば皆ビビると思ったら大間違いだい。第一、棒なんか振り回したら危ないでしょうが。」と苦々しく思うにちがいないのであり、真正面から向き合って議論を持ちかけては次々と論破したという林健太郎や「私は話し合いが大好きですから、どんどん話し合いをしましょう!」と嬉々として団交を受け入れ、荒くれ者たちをげんなりさせたという河合隼雄らのエピソードがまことにかっこよく、爽快に聞こえるのである。
そのかっこいい人がもう1人。
一日中一心不乱に甲骨文や金文を解読し、毎晩遅くまで明かりのついたその研究室には学生たち(←立命館大学ですからねー、一筋縄でいかない人たちが多かったと思う)も敬意を表して踏み込むことがなかったという、漢文学者の白川静
先日4月9日が生誕100周年だったそうで、書店にたくさん並べられた『白川静読本』を思わず手に取った。様々な人たちが白川静その人を、そしてその学問について語る。

白川静読本

白川静読本

とにかく執筆している人たちが全員(←すごいメンツです)白川静に圧倒されていて、心から尊敬している様子が文面からにじみ出ており、ちょっと感動的なくらいである。
そして漢字の中に秘められた小宇宙へのドアの鍵、それをそっと渡されたような気分になる。・・・『文字遊心』あたりからいってみるか、な?

で、その『白川静読本』の書評も書いているライター岡崎武志さんも同人である雑誌『スムース』13号「まるごと一冊晶文社特集」、三月書房でようやく入手しました。

sumus〈13〉まるごと一冊晶文社特集

sumus〈13〉まるごと一冊晶文社特集

犀のマークの晶文社、まず思い浮かぶは植草甚一小林信彦、海外文学読みならばブラッドベリベンヤミン、S・ソンタグ『写真論』、いやいやなんといってもジャズの本の数々が・・・と本好きの方々ならば身をのりだされるようなネタが満載。現在舐めるようにしてページを繰っております。

本日は新書を2冊購入。
澁澤龍彦『ドラコニア・ワールド』(←美しい写真が多数!)
双葉十三郎『外国映画ぼくの500本』(←もうタイトルだけでわくわく)

澁澤龍彦 ドラコニア・ワールド <ヴィジュアル版> (集英社新書)

澁澤龍彦 ドラコニア・ワールド <ヴィジュアル版> (集英社新書)

外国映画ぼくの500本 (文春新書)

外国映画ぼくの500本 (文春新書)


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今頃かい、という声が聞こえないでもありませんが(笑)、このネタは外せません。
第82回アカデミー賞授賞式。
・・・なんでしょうねえ。年々地味に、せわしなくなってきますねえ。凝ったVTRやショーがあるでなし(今思えばビリー・クリスタルが司会やってた頃が一番よかった・・)、相変わらず受賞スピーチは急かされているみたいだし。なにしろ昨年は“歌って踊れる色男”ヒュー・ジャックマンの進行でしたから、今回はどうしたって地味な印象になります。うーん・・・年に一度の一大イベントですもん、3時間でも4時間でもかけて派手に楽しめばいいのにね。
・・・そんなこんなの今年の授賞式、おおっ、と目を引いた方々をご紹介してみましょう。

女性陣ではまずペネロペ・クルス。彼女は毎回ドレスのセンスがすごくいい。今年もとても美しくセクシーです。主演女優賞をさらったサンドラ・ブロックが主役、みたいなムードはありましたが、私は年々顕著になる彼女のお顔の「作り物感」がどうも苦手で・・(マネキンみたいな顔してません?笑)

      

若手ではキャリー・マリガン。ハリウッドではめずらしいベリーショートがなんともキュート。
白い肌に黒のドレスがよく似合っています。

      


男性陣で目をひいたのは、ファッション・デザイナーにして映画監督デビューも果たしたトム・フォード。ご覧ください、タキシードのこのパーフェクトな着こなし!

      

      

      (・・・あ、やっぱゲイなんですか。・・・そうですか)


・・・そしてなんといっても、ジョージ・クルーニー兄貴がひときわゴージャスでポイントが高かったのですが、ここは、あえて彼に注目したい。

      

サングラスにブルーの蝶ネクタイ、そして足元はスニーカーです!!
大舞台で勝負に出たこの人(笑)・・・ Robert Downey Jr. !!

      

もちろん賛否まっぷたつだったわけですが、私は好きだなあ。


(2010年4月14日記)