- 作者: 立花隆
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2000/03/01
- メディア: 文庫
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古今東西の臨死体験・体外離脱談(登山遭難者が次々と幻覚・幻聴におそわれるエピソードは凄絶)、今際のきわにまつわる体験談を次々に検証していきます。ここは科学者の目を持つ立花隆、緻密な洞察力で安易にオカルトに走らず、実に読ませます。
また、死にまつわる古い民間伝承(例えば我らが『遠野物語』やネイティブアメリカンの民話など)や宗教的な文化の考察からデカルト哲学に行き着くところなんかは科学で説明できない精神の深淵を覗き込むようなスリルに満ち満ちています。
その道のプロである科学者や医者のインタビューもあり、あの理知的な『死ぬ瞬間』のE・キュブラー・ロスが恐るべきオカルト婆になっていたことに戦慄をおぼえた私。(物事をとことんつきつめて考える西洋人は哲学者になるか、このように気がふれるかやな・・・)
一切の感覚が遮断されたり、生命が危機にさらされたりの非常事態になると、私たちは精神を守ろうと自ら脳内で劇的な変化を起こすらしい。・・・おそらく「死後の世界」は幻想。死ねば、何にもなくなる。・・・帯には「死ぬのが怖くなくなった!」なんてありますが、うそだぁ(笑)。
(2006.6.3記)
>追記
うーん、最近はやや「トンデモ」な人になっているといううわさもチラホラ・・・(笑)。