- 作者: 寺山修司
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/01/01
- メディア: 文庫
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お母ちゃんとふるさとに対する執着と愛憎(言うまでもなく彼の作品の重要なモチーフ)。のるかそるか、勝つか負けるか(彼のギャンブル、ボクシング好きは有名ですね)の一発勝負魂。そして、血の臭いがするような歪なエロス。「男たるもの」のコンプレックスを凝縮したような作風が時代を超えて共感をよぶのでは・・・と女である私は推測するわけですが男性諸氏、いかがでしょう。
題名からだとなんだか「言葉の処方箋」チックな本と思ってしまいそうですが、読んでも別に元気は出ません(笑)。しかしこのロマンチストの奇才がどんな言葉を友人としてきたかを探ることができる、大変興味深い作品のひとつです。
有名な文学作品の一部もありますが、ほほぉ〜と感心してしまうマイナーかつ皮肉なアフォリズムも多数。読後はちょっと人生斜に構えてしまいます。前編には少しですがシッブい映画(『野いちご』『シベールの日曜日』『審判』など)レビューもあって読ませます。・・・唸ります。
−マッチ擦るつかのま海に霧ふかし
身捨つるほどの祖国はありや−
寺山修司
(2006.5.26記)
>追記
鬼才、とは思いますが何故だか素直に「好き」とは言えない人だなあ(笑)。興味のある方はこちらも。
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