an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

『完本・突飛な芸人伝』吉川潮

完本・突飛な芸人伝 (河出文庫)

完本・突飛な芸人伝 (河出文庫)

『テレビ犯科張 許せん!!』を読み、おおこれはスゴイ、ナンシー関亡き今、このお方の後を3歩下がってついて行くべしと決めました。何故3歩下がるか。それは落語を全く知らないから(笑)。
演芸評論家であり、立川流顧問である氏の仕事を追うのに「笑点」しか知らないのでは話にならぬ。ここはひとつ、日本で最も洗練された笑いであるところの落語を・・・と思ったが、某クドカンの影響と思われるのもシャクなのでとりあえず本書を読んでみましたとさ。

・・・長い前置きすみません。これはタイトルどおり芸人さんたちの破天荒なエピソードを綴ったもので大変笑えます。芸人だからって「飲む・打つ・買う」をまさかそのまんまホントに律儀にやってらっしゃるとは知らなんだ。もちろんそれだけではただのヒトなのであり、やるときはやりまっせ的芸人魂が光ったりもするのです。そして、血反吐を吐くような生活をしていても、愛嬌とか可愛げを失わない愛すべきおっさんたちにほんの少し和んだりするのです。関西でいうところの「あんた、ほんまにあほやなぁ〜・・・」(←情感こめて)というニュアンスでしょうか。
私は特に「借金のタンゴ−月亭可朝」「喧嘩エレジー石倉三郎」「男の顔は履歴書−マルセ太郎」「歌舞伎座の怪人−快楽亭ブラック」「浪花アホ一代−坂田利夫」「酒と馬鹿の日々−春風亭梅橋」などがツボにきました。あなたのお気に入りを聞かせてください。
(2006.3.26記)


>追記
小林信彦さんのものなど、芸人モノはおもしろい!
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テレビ犯科帳 許せん!!

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