- 作者: 鹿島茂
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1999/11/01
- メディア: 文庫
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コレクター・・・それはつける薬のない病(笑)。 みうらじゅんがボブ・ディランマニアであることはよく知られているところだが、彼のCDラックには同じタイトルのアルバムがいくつもあるそうだ。それをリポーターに指摘され「あ、それはイギリス版でこっちは日本版。歌詞カードのここんとこが違うんですよね〜。他にもそーゆーの、たくさんあります」とサワヤカに答えた。一瞬のめまいの後、ほのかな清々しさを感じたな、私は。
著者は女子大で仏文学を教える立派なインテリ・・・のはずなのだが古書のことになると俄に豹変なさる。19世紀の挿絵入りロマンチック本というのが彼のカテゴリーであり、当然骨董的な価値があるわけです。同じ本であっても初版とか献辞付きとか、どの材質で装幀されているか、色はついてるか、付録付きか、紙の状態は・・・とランク付けはキリがない。コレクターたちはいかに安く、いい状態の稀覯本をゲットするかに血道をあげるのです。
普段見られないような高価なフランス古書を多数紹介していることもさることながら、興味深いのは著者と古本屋とのかけひきです。老獪でプライド高いプロのフランス人本屋とのやりとりがコントのように繰り広げられ、ちょっとしたフランス文化エッセイになっております。著者が意外とおっちょこちょいなのが嬉しい(笑)。
最近鹿島センセイは雑誌だけでなくTVでもよく見かけるので、ずいぶん借金は減ってるのではないかい?いや、その小金でまた買ってるか・・・はい、大きなお世話でした。
(2006.3.26記)
>追記
ここ最近は風俗(フーゾクも。笑)関係のものをたくさん書いておられるような。
吉本隆明さんのことを書いた本もおもしろかったし、本当に幅が広い人です。
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