- 作者: 関川夏央
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1998/12
- メディア: 文庫
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もうね、ニートがどうとか心の闇だとか自分探しだとかいう若造の形態なんかどうでもよろしい。活字にする必要なし。それより戦中派の老人たちの言葉をできるだけたくさん書き残しておくべきです。じきにみんな死んでいなくなっちゃうぞ!
故・山田風太郎は、奇想天外で壮大な物語作家であると同時に、あの戦争を冷静に観察していた教養人でもあります。(戦中日記シリーズ多数あり)インタビューをするのは関川夏央、彼の鋭いツッコミや間の抜けたリアクション(意図的です)、ぬかりない解説等々の編集の手腕によって、この本は一級のエンタテイメントに仕上がっています。
その生い立ちから戦争中の飢餓体験、老いと死について、時に昭和美人談義、映画・作家談義までこの比類なき老人の語りを楽しむことができます。基本姿勢は厭世的で辛辣でミもフタもないことを言いますが、時折見せるおトボケぶりがなんとも・・・。こんな面白い爺さんはそうめったにいないでしょう。
「天才老人の機知、警句、妖説、飄逸、健忘!」はい、このすべてを間違いなく味わうことができます。
(2006.3.19記)
>追記
山田風太郎さんの著作は膨大で、どこから手をつけたらいいものやら・・と途方にくれがちなのですが、こちらなどいかがでしょう(全3巻もありますし、ちょっとばかり気が滅入ったりもしますが!笑)。
- 作者: 山田風太郎
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2001/03
- メディア: 文庫
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