an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

『そして殺人者は野に放たれる』日垣隆

そして殺人者は野に放たれる (新潮文庫)

そして殺人者は野に放たれる (新潮文庫)

  • 作者:隆, 日垣
  • 発売日: 2006/10/30
  • メディア: 文庫
刑法第39条に真っ向から異を唱えた渾身の一作です。
著者は気骨とユーモアセンスを持ち合わせたファイティング・ライター日垣隆
ジャーナリストはこうでなくては。
TV・朝ナマで一度お姿を拝見しましたが、細身細面の語り口穏やかな高校の社会の先生、といった風でした。始終取り乱すことなく、メモなどとりつつ淡々と的を得た発言をしていた姿が印象に残っています。ケンカなんかしたことなさそうに見えるけど、あちこちの雑誌で大物相手にさかんにケンカをうっているぞ。やるなぁ。

悪名高い、しかし誰もあえて踏み込もうとしない39条について、犯罪被害者を丁寧に取材しその理不尽極まる実態を冷静に分析しています。
精神障害者精神障害犯罪者は違う!!」・・・当たり前だ。違うに決まっている。なのに何故こんなことがまかりとおっているのか?
具体的に、今後どうするべきなのか?この本はいろいろな示唆を与えてくれましたが、私なりにさらに考えを深めていかねばならない課題も与えられました。
皆さんはどのように感じられましたか?
(2006.1.18記)


>追記
いやあ・・・まさかこれほどトンデモなお方だったとはねえ(ファイティング・ライターというのは当っていると思うけど)
うん、でもこの本はやっぱり今でも傑作だと思うな。


これもおもしろかったよ。