- 作者: 鈴木大介
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2016/06/16
- メディア: 新書
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著者は41歳の若さで脳梗塞に倒れ、左麻痺、構音障害、感情失禁などの重篤な後遺症とともに生きることになる。
そうして面倒くさくて語る言葉を持たない社会的弱者の代弁者になりたいと思い続けてきた僕にとって、僥倖にほかならないではないか。
彼は貧困層の若者や様々な事情で社会からドロップアウトしてしまった人たちを取材するルポライターだ。
熱血タイプの書き手で、しかも恋女房は発達障害的個性の持ち主にして脳腫瘍からのサバイバー。そんな彼女をパートナーに選び、日常生活にしても仕事にしてもなんでもかんでも自ら背負い込んで一人であくせくしてはイライラするという、どうしたって血圧上昇必至の、私とは全然まったく違う人種で、クラクラするような気持で読みすすめたのでした・・・
高次脳機能障害を「ルポライターが当事者として」描いたのは画期的かもしれない。実感としての言葉には力がある。
適切なリハビリテーションがどんなに大切かということもよくわかった。
大変におもしろかったし、著者にエールを送りたい。