ほえ?・・・って声が出そうになったよね、この映画のラスト・シークエンス。
ほら、あれだ。同じ音楽映画『セッション』みたいな感じの。皮肉で強烈な肩透かし。(感動のあまり)目が離せないラスト15分!!・・・みたいな触れ込みでしたよね、宣伝では。
レナード・バーンスタインに師事し、世界的な指揮者という設定のリディア・ター(マッチーは“タール”って発音してたな)。主演はケイト・ブランシェット、そらもうオーケストラの孤高の権力者、一人の女性としての苦悩、栄光と挫折、光と影を描いた感動巨編、ラストはマーラーの怒涛の演奏(何番か知らんけど)でキマリね、とか思うじゃないスか。
いやまったく一筋縄ではいかなかった。1回観ただけではこの作品の数々の“仕掛け”に気付かず、ポカーンってなると思う。私みたいに。
そういう意味では試される(何を?)一作であるといえましょう。
少し間をおいてじわじわ「・・・なかなかおもしろい映画だったな」と思ってしまう、そんな作品でもある。