監督キューブリックもすごいが、この予告編作った人もすげえ。
例によっていろんなカット版があるわけですよ。
で、ちょっと長い版がBSでかかっていたので何10年ぶりかで鑑賞したところ、やっぱりすばらしくおもしろい作品で目が離せなくなったし、いくつかの仕掛け・ディテールにようやく気付いたりしたのでした(←遅い)。このホテルが「もともとネイティブ・インディアンの墓地でね・・・」なんて説明があって、内装にそこを継承してみました、というくだりとか(あらゆるシンメトリーな模様の数々)。思いのほか「年季の入った呪い」でした。
なにしろ斧を振りかざすジャック・ニコルソンがあまりに怖くて、初見の時は「ひぃぃぃ!」となってたけど、今観たらなんか笑える(キューブリックの執拗な演出にマジギレしてたみたいだし)。むしろちょっとずつ狂っていく行程がこわいな。瞬きしないバーテンとのやり取りとかね。
それで、気になった方もいらっしゃると思うのですがラスト一連のシーンの途中、狂った夫から死に物狂いで逃げまどう妻が、とある部屋で妙なものを見てしまう。
室内にはタキシード姿の男性と着ぐるみ人間。双方が動きを止め「ん?」ってな感じで視線を向ける。
「・・・!?」なにこれ。
この切羽詰まった状況とあまりにそぐわない。唐突、不自然、圧倒的違和感。
それ以上に、言いようのないtabuの空気ね。「見てはいけないもの」というような。ネット上では謎解きがいろいろあるのですがおもんないなー、もっと「!!」となるような珍説が読みたいなー。
・・・っていうか実はキューブリック本人もそんなに考えてなかったりして。いや、映画の隅々、一瞬一秒も完璧に構築する彼のこと、そんなはずは・・・などと思いを巡らす夏の休日でした。
・・・自分で珍説を思いついたら書きます。