肉を食べる意味の根源を探りたくて、まず、ひとつの文化として肉をめぐる諸相を捉えることから始めようと考えたのが、本書の出発点である。
平松洋子さんの食べものエッセイを愛読している。
おいしそうで軽妙、その上にやわらかな知性が味わえる一級の文章。
今回は羊、猪、鹿、鳩、鴨、牛、内臓、馬、すっぽん、鯨という食の現場に迫るレポートである。鯨の竜田揚げのおいしさを知る世代であり、京都の大市に一度は行ってみたいと思っているわたくしにとって興味満載の一作であった。
うまい肉は「つくられる」
食文化に歴史あり。食いしん坊のあなたに、ぜひ。