一読して、圧倒されました。とてつもない教養と、あまりにも繊細な臨床眼、みずみずしくも重厚な文体。
中井久夫への敬愛溢れる魅力的な入門書になっていました。
シンプルでわかりやすく、読みだすと止まりません。
そうだったのか・・・と学ぶこと多々。
ことに昭和天皇への言及は全然知らなかったので興味深いものでした。
読まねばなりません。
知識欲が権力欲に転じることを嫌った中井は、意図的に自分の理論の「体系」を作りませんでした。
そのアイデアはしばしば断片的な箴言の形で表現されるため、そうした知性のありようを私はかつて「箴言知」と評したことがあります。
体系はしばしば視野を狭くしますが、すぐれた箴言には発見的な作用があります。中井が残した箴言の数々は、これからも私たちの導きの糸となっていくでしょう。
ミスター・オープンダイアローグへの敬意が芽生えました。
(・・・でも私のケースでは炎上しかしてません・・・)