「そのスジのおじさん方(もちろんおばさん方も)」からしたらイラッとするかもしれないこのあざといタイトル・・・・・・たぶん出版社が付けたんでしょうけど。
双方表現者、という夫婦は世にわりにおられるようだが、それを「家に二匹の虎がいる」と言い表したのは誰だったか・・・いやいや、ここは家族四人全員表現者というね。この一家にあっては、恋愛体質でスピリチュアルに傾きがちな次女のばななが一番普通にみえる。
家族の一人が徐々に鬼になる、老いて呆けて動けなくなる、逃げたり受け止めたり泣いたり笑ったり。そんな吉本家の晩年をハルノさんの飄々とした筆致で描きます。
父の圧倒的な仕事の質と量、そして何の組織にも属さず、大学教授などの定期収入もステータスもない中で、家族と猫を養い続けてくれた並外れたパワー-それは感謝と尊敬以外の何ものでもないし、誇りに思っている。
これはアカの他人のわたくしでも長らくうっすら感じていたことなので、身内の方から聞けてほんのりうれしい。
猫屋台、いつか訪れるのが夢です・・・・・・ささみフライ食べたいよう。