いや～、パゾリーニの映画なんて何年ぶりかな。
マタイ伝の有名エピソード満載で、しかもパゾリーニだからさぞかしエモーショナルでエグい感じの･･･などと思ってしまうのですがさにあらず、どちらかというと静的かつ絵画的な作品なのでした（マリアなんてヒトコトもしゃべらないよ）。なんといっても登場人物たちの顔、顔、顔。表情が実に絵になる（表情がやけに平坦だったり、歯並びが悪かったりするのがかえって生々しいのだ）。当時の人物たちを彷彿とさせる。これぞ映画マジック。
そして、この人はやはり、愛ではなくて剣を投げ込んだ人だったのだなあ。
いやそれにしても、聖書の文言は現代人の我々には不可解なものが多いですね。「聖書の読み方」みたいなものを勉強したいな、なんて殊勝なことを思ってみたり。
監督は無神論者とのことですが、この作品を作るモチベーションはなんだったのかな。（私ごとき者には信仰に対する肯定も否定も読み取れなかった･･･）
