an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

本日読了

ひみつの王国: 評伝 石井桃子 (新潮文庫)

ひみつの王国: 評伝 石井桃子 (新潮文庫)

うーん、読み応えのある評伝でした。
瀬戸内寂聴が好んで描きそうなスキャンダラスで奔放な女性、みたいなタイプでは全然ないので、わりに地味でアカデミックな感じの読み物かな、と思っていたら、いやなかなか、石井桃子さんって一筋縄でいかない方でしてねえ・・・。複雑な余韻が残る一作でした。日本の児童文学の軌跡・変遷もよくわかるし。うん、これぞ読書の醍醐味。

ヘンリー・ダーガー(表紙画)との共通点は私には一つも思い浮かばなかったけど、これは著者ならではの閃きの一つですね。うん、納得。