an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

本日読了

何重にも謎のベールに包まれて容易にはその姿を見せてくれない、むしろそこが魅力・・・それが私にとっての小説『ソラリス』だった。
とはいえ、「謎」は「解きたい」のが人の性。
初めてポーランド語からの完訳を成した沼野先生により、1枚ずつそのベールをはがしてゆく様は、氷がゆっくり解けてゆくような快感と発見がありました。

メタSFとして、科学批評として、切ないラブロマンスとして、何より「絶対的な他者」の不可解性・・・レムが生きた時代背景とともに読み解いていく、スリリングな読み物です。

TVテキストということもあって、わかりやすくあっという間に読めてしまうのでぜひ。