an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

『ヴォルタ』ビョーク

ヴォルタ

ヴォルタ

子供みたいな顔して堂々熱唱型シンガーである。映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク』での、少々アタマの弱い、無垢なシングルマザーの演技は聖女を思わせるようなところがあったし、アテネオリンピックの開会式で「Ocaenia」を歌う姿はまるで生命の源たる海の精霊のようだった。・・・なんかこう、周りの空気をうねらせて風を起こすような、“人ならざる者”の気配を見せることがあるね、この人。
PVがまた念入りにグロテスクでhaevy beautyなシロモノばかり、さすがはM・バーニーの嫁なのだった。
・・・このように彼女のパフォーマンスの数々に感心することはあれど、CDは初買いである。絶叫電波系の歌ばっかりだったらどうしよう(・・・そんな、オノヨーコじゃあるまいし・・・)などと危惧しつつ。

いやいや。いいですよこれ。面白い。 
1曲目からほどよく抑制され加工されたヴォーカルと、エキゾチックで凝りに凝ったアレンジのリズムが心地よく響く。彼女は決して美声ではないし、歌詞はどうやらメッセージ色が強いようなので、アグレッシヴな熱唱が続くとちょっとしんどいかなと思うのだけど、甘いメロディのデュエットあり、遊び心のあるダンサブルな曲ありでバランスがとても良い。お見事です。
(2007.9.11記)


>追記
「ダンザー・イン・ザ・ダーク」のサントラも好きだったな。
一度ライブを見てみたい。

セルマソングス?ミュージック・フロム・ダンサー・イン・ザ・ダーク

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