an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

『とんまつりJAPAN 日本全国とんまな祭りガイド』みうらじゅん

とんまつりJAPAN―日本全国とんまな祭りガイド (集英社文庫)

とんまつりJAPAN―日本全国とんまな祭りガイド (集英社文庫)

珍妙なものを面白がらせたら日本一のこの男。
ここで取り上げられているお祭りは、「奇祭」として民俗学的にそこそこ価値があって、地域の伝統や由緒があるのだろう・・・が、唖然とするような素っ頓狂さと全身脱力のマヌケなものばかり。

白塗りサイケ衣装の怪人が笑いを強制する「笑い祭り」、R指定の「おんだ祭り」、シュールな白無垢「豊年祭り」・・・。「ヘトマト」「ジャランポン祭り」「つぶろさし」なんて名前がすでに変(笑)。全く“どーかしてる!”祭りのオンパレード、巻頭写真からもう目を離せません。おバカな祭りを淡々と執り行う人びととみうらじゅんの奮闘リポーターぶりに悶絶。現場見なくても、これ読んだら十分かも(笑)。
「日本は狭いように見えて、奥は深過ぎるのである」・・・八百万の神様がおられる日本、懐深いところをみせてくれます。しかしこのテイストは、柳田國男が眉ひそめ、折口信夫はにやりとし、南方熊楠大喜び・・・ってカンジか。

「“突拍子もない”センス、それは“パワー”という言葉に置き換えてもいいだろう。地方にはまだまだそんなパワーが十分残っていることを知った。」お宝は、案外身近なところにあるものです。
強力な解説はご存知、本をしょった妖怪・アラマタだ。最後まで油断ならん。
(2006.9.1記)


>追記
ゆるキャラブーム」など相変わらず絶好調なみうらじゅん
意外とセンチメンタルなこちらもどうぞ!

青春ノイローゼ (双葉文庫)

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