春日先生、安定のおもしろさ。
もちろん学術的事典ではなくて、解説にもあるように“雑学狂記博覧会”という趣の書。項目一つ一つがコンパクトな読み物にまとめられているので、厚いけれどもさくさくっと読めてしまうのであった。
古今東西の文化に潜んだ狂気を見つめます。マンガから純文学、哲学、絵画、映画･･･取り上げられる作品の硬軟がちょうどいい塩梅なんですよね。スカした感じがないし、かといって軽すぎない。
精神病･･･「病」というからには定型があるわけなんだけど、本当にバラエティに富んでいるな、底知れないな･･･という新鮮な思いと同時に、仕事柄「そうそう、そうなんだよ！」とジャストミート感のある読書となりました。
禁欲的であり続けるためには、意志の弱い者や享楽的な者たちを軽蔑しなけらばならない。そのようにして自らを鼓舞する。おしなべて禁欲的な人間は狭量なのである。
