an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

物語を作る力

もしかすると周知のことかもしれないのだが、ラース・フォン・トリアーの映画『アンチクライスト』と大島弓子の漫画『ダリアの帯』には物語上の共通点がいくつもある。

 

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ダリアの帯 (白泉社文庫)

ダリアの帯 (白泉社文庫)

 

母親の過失で命を落とす子供、それが引き金となって徐々に狂っていく妻、救おうとする夫、世俗を離れ森へ向かう夫婦・・・・・・うん、やっぱり似ている。

 

同じ素材を用いながら、これほど、とてつもないカンジで違う物語が出来上がるのがまず興味深いし、性別や文化の違いだったり、アーティストとしての表現方法だったり、他に何が・・・?何が彼らにこういう物語を作らせた・・・?とつらつら考えるのも楽しい。

 

ラース・フォン・トリアーの作品は数えるほどしか観ていないし、正直なところ苦手だ。だが『メランコリア』のうつ病女性の描き方は圧倒的リアリティで、精神病理学的な意味でも(たぶんサディストだよなー)彼には興味がある。

大島弓子も漫画読みの私にしては全然読めていない1人。しかしこの人もふんわりしたタッチで奇妙だったり不気味だったりよくわからん漫画を描く人で、やはり興味が尽きないのだった。

 

同じように感じている誰かと話してみたい、秋の夜長。