an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

函館紀行ーその④

ご承知のとおり、函館は歴史と文学の地でもありまして・・・
まずは幕末、戦いの最終舞台となりました五稜郭



五稜郭跡はこんなふうな広々とした公園です。





五稜郭と言えば榎本武揚ですが(安部公房の『榎本武揚』は未読ですが、なぜこの作家が彼に惹かれたのか興味深い・・・)、設計者はこの方。



箱館奉行所(復元)、このあたりは漫画『風雲児たち』の愛読者としては心騒ぎます。(武田斐三郎先生も一瞬登場)

風雲児たち幕末編 25 (SPコミックス)

風雲児たち幕末編 25 (SPコミックス)

五稜郭タワーから。虹が見えました。



ところで、市電「堀川町」近くに中島廉売という商店街がありまして、地元の方々にはなじみの場のようなのですが、なんと中島三郎助ゆかりの地であるそうです(彼に関しても『風雲児たち』をお読みいただきたい・・・勝海舟との確執が印象的です。榎本武揚との友情も)
その中島廉売の人気店、「シゲちゃん寿司」でお持ち帰りしました。
魚介が肉厚で旨いっ!




次は函館が生んだ文学者を巡ります。
函館市文学館へ。



立派な洋館です。中は広くてゆったりした空間。2階では石川啄木展をやっていました。(啄木は渋民村出身ですが、函館含め北海道のあちこちで仕事をしています。20代で死んでるんですよねえ・・・)

函館出身の作家として、まあ著名なところでは久生十蘭(彼の短編で、息子を心配したお母ちゃんが風呂敷背負って巴里へトコトコやってきた話が好き)、長谷川四兄弟(あ、一人は絵描きか)、最近注目株の佐藤泰志、といったところかしら。いずれにしてもあまり読んでないのですが(苦笑)、なんとなくこちらの小冊子を購入。

「不良」と書いてモダンと読ませる強引さがいいな。

佐藤泰志の『そこのみにて光り輝く』の生原稿がありましたが、ものすごい几帳面な字で(でも三島由紀夫みたいな流麗な字でなく癖のある字)、なにかこう、痛々しいような気分になりました。