an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

シュヴァンクマイエル展

ヤン&エヴァシュヴァンクマイエル展へ。


      

共産党政権下でブラックリストに載りながらも創作活動を続けてきた、チェコ第三世代のシュルレアリスト」と紹介されるより、『アリス』をはじめとした、変な人形アニメを撮るおじいさん、くらいのイメージしかないのだが、おもしろそうなのでのぞいてみたのだ。


      

      


ご覧のように、作風はファンタジーとグロテスクの間をふらふらと綱渡りしているような印象だ。「不思議の国のアリス」にインスパイアされたコラージュ作品の中でも「異質なものを合体させる」というシュルレアリズムの基本姿勢(←?)が随所に見られるのだが、その発想の飛躍ぶりは彼ならでは、本当にユニークである。

小泉八雲の「怪談」のために描かれた挿絵もおもしろい。モノクロの修道院の中に色鮮やかで妙にスタイリッシュな和風の妖怪が(←北斎が描いたみたいなの)ぬっと立っていたり、獅子のような異形の獣を狩人が追っかけていたり。思いがけない西洋と東洋の合体、水彩画風のさらさらしたタッチもいい感じだった。
撮影者として“ミスター鎌鼬細江英公が登場していたのもトピックの一つだったようだ。・・・いやはや、今時の70歳は元気いっぱいです(笑)。

会場の京都文化博物館はレンガの洋館風で、館内は天井高く薄暗く、オレンジ系間接照明が作品をより魅力的に見せていたと思う。

このように見どころ満載、興味のある方はぜひ。



(2011年7月27日記)