an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

夢にいつか見た あのファンタジー

追えば行き着く所 桟橋
ここは 住めば都の大都市
明日も脱けられない島国・・・


まさか「はらいそ」が聴けるとは思わなかった。感涙。
はい、連休のど真ん中に行ってきましたよ、細野晴臣ライブ。会場は日比谷公会堂

      

何十年ぶりかの全曲ヴォーカルの新譜はまだ聴いてないし(←おい)チケットは高かったし、関西くんだりから遠路はるばるご苦労さんなわけだけれど、ティンパンの方々や高田漣くん(いろんな楽器を弾いてたなあ・・・芸達者!)、コシミハル(ハイヒールに光りモノ超ミニスカでアコーディオンを弾く姿がたまらなくキュート)、矢野顕子(もはや風格たっぷり)といった豪華メンバーでの演奏はそうそう見られるものではなかろうし、定期的にやってくる「どこか遠い都会に行きたいな病」(←田舎者にありがち)にぴったりシンクロしたこのタイミング。
そしてこんなこともちょっと思い出したりしていた。

・・・そう、あれはカフェに来てくれたlalalaさんとおしゃべりしていた時のことだ。
彼女はピアニストの高橋悠治さんのファンで、京都でのライブがとてもよかったという話になり、「ああそれねー私も行こうかなと思ってたんだけど・・・まあそのうち・・・」と言葉を濁すと、彼女はキッパリこう言ったのだった。「いや、ポンタさん。そうやって油断していたらダメですよ。早く行っとかないと死んじゃいますからあの人たち
はっ・・・・・・たしかにそのとおりだわ。そのうち行こうそのうち・・・と思っているうちに、高田渡武満徹清志郎も死んじゃったじゃないか。
この人好きだなあ、あの曲聴きたいなあと思ったならば、なるべくその人が死なないうちに行くことにしよう。・・・ってゆーか自分が死ぬかもしれないしさ。

ガイガーカウンターを購入しましてね、毎日測定してるんです・・・といった発言には別段驚かなかったが(平沢進師匠もマイ・ガイガーカウンターでさかんに測定なさっているとか。テクノの人って・・・)、クラフトワークの「放射能」をアコースティック・ヴァージョンで歌い始めた時は、思わずひええええとのけぞってしまった。しかしあの不気味な「Radio-activity」が(今なら曲中の「ヒロシマ」のサウンドロゴが「フクシマ」になるな・・・と思いつつYouTubeで大昔の原曲を聴き返しております)なんとも味わいのある渋いブルースへと変貌したのはさすがの手腕であった。お見事です。


          


そうそう、場所の確認のため日比谷公園内をうろうろしていたら、原発反対デモ隊に遭遇したのね。どんな人たちがどういうふうにどんなことを言っているのかやはり興味があって、霞ヶ関へ向かう彼らの後をつけてみたのである(←ヒマなのか・・・)。
じっくり観察したわけでもないのでここで多くを語るつもりはないが、「国内のすべての原発を今すぐ止めろーーーー!!」とヒステリックに連呼していて少々ゲンナリしてしまった。 もうちょっと別のアプローチの仕方はないものだろうかね・・・。

閑話休題
この人の曲はまろやかでやさしい感じの曲調にエキゾチックな隠し味があったり、端正な少年の面影を感じさせるようなものがあったり、とかくスタイリッシュに走りがちなYMOのメンバー他2人とは違う懐の深さと「ちょっぴりお茶目な人柄」がにじみ出ていて、そこがとても好きですね、私は。
冒頭で紹介した「はらいそ」をはじめ、「風をあつめて」「終わりの季節」「蝶々-san」などの大好きな曲を多く披露していただき大満足。美しいハーモニーが全身に沁みわたるような、とても贅沢な時間でありました。



(2011年5月3日記)