an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

本日読了

 

『エンジェルフライト』でご存じの方も多いかと思うノンフィクション作家の佐々涼子さん。初めて手に取りました。

『エンジェルフライト』は「これは読むのがしんどいだろうな」と躊躇したのですが、いや、タイトルからしてこちらのほうがさらにしんどいだろうよ、と己にツッコみつつ。

「終末期を在宅で」という選択をした人たちを取材したもの。

メインで登場するのは終末期医療で先進的な活動をしている京都の病院で、そこもまた興味深く読みすすめました。

死に方を選べる時代・・・・・・とはいっても、本作に登場する方々はめぐまれた少数派だろう。なかなかこんなふうには・・・・・・家族の思いや経済事情、限られた社会資源や医療制度、まだまだ課題が多い領域ではないかと思います。自分自身の時はどうかな、と不安がよぎったり。

著者のお母様が寝たきりの難病で、それをお父様が全身全霊で介護を担っている場面は不意打ち的な衝撃で、また佐々さんご本人も脳腫瘍で余命宣告を受けておられる。

わかっているような気になっていたけど、命のはかなさと病の無慈悲さを思い知った読書になりました。