an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

本日読了

或る「小倉日記」伝 傑作短編集1 (新潮文庫)

或る「小倉日記」伝 傑作短編集1 (新潮文庫)

『点と線』は読んだかも・・・『砂の器』は映画で観たかも・・・くらいの私の清張歴。今回シッカリ読んでみましたわ。
意図的でしょうか、徹底して「不遇な人」「愚かな選択をして破滅する人」を描いた選集でした。切ないし、やるせない。
しかも昭和という時代のわびしさをひしひしと感じさせる・・・50代ですでに高齢者扱いだったり、女は囲われて当たり前だったり、体質がなんとも古臭いというか。

とはいえ、表題作はじめ何作かはしっとりした哀切を感じる物語でした。実在の人を描くのに力量を発揮した作家だったのだろうか。