an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

本日読了

 

うーむ、6巻がずっと手に入らん・・・と悶えていましたが、このほど山岸凉子代表作がめでたく電子化したとかで紙ベースもようやく適正価格で(←重要)入手読了しました。

ジャンヌ・ダルクの半生を描いた物語です。

 

残酷な事実をあえてシンプルな線で淡々と描くことでいっそう恐怖が際立つというまれにみる手法を持つ山岸凉子ですが、やはり昔に較べるとマイルドな表現になっているように感じました。慈悲のある終わり方というかな(ホント血もナミダもない着地をする作品が多いですから)。10代の少女が火刑という残酷極まりない最期を迎えることをこちらはあらかじめ知っているだけに「救いのないバッド・エンドだったらどうしよ・・・山岸凉子ならやりかねん・・・」とハラハラしておったわけです。

フランスとイギリスの関係については思っていたより複雑で、「うん、昔から拗れていたのだな」くらいでおさめておきましたが、ジャンヌ・ダルクは「本当にこんなヒト実在したのか?!」と思うような逸話・史実含めて、たいへん興味深い人物でした。

ハイティーンならではの揺るぎない意志、溢れんばかりの信仰のエネルギー。例えば一時期話題になったグレタさんのようなまっすぐな強い視線。そしてそれは、例えばトランプ元大統領のような粗暴な権力者がサディスティックな欲望をもって破滅に追いやりたくなるような・・・と現代でも普通にイメージできたし、改めて世界はそういう危険に満ち満ちていると思ったことでした。

 

 

いうまでもありませんが、こちらも必読です。