・・・私くらいの年代だと加東大介さんといっても映画『七人の侍』の中の1人だったかしら、くらいの認識でしょうか。
名著とうわさの本作、やっと読みました。いや~、戦場(しかもニューギニア戦線!)にこんな場があったなんて本当に驚きだ。ジャングルで敵に囲まれ餓死者が続出し明日をも知れぬ状況の中で、舞台を建て衣装を作り女形が流し目を送る。
やっぱり人は物語に、芸術に救われるものなのだなあと感じ入ります。
タイトルにもなった「関の弥太ッぺ」の雪景色号泣シーンもさることながら、登場人物がそれぞれとても魅力的に描かれています。
中でも、博多仁輪加が得意な怪僧(イカつい顔にまっ黒なヒゲが一面に生えている)篠原竜照軍曹に注目だ。なんと“ミスター・ゴーマニズム”、小林よしのりの祖父なんですよね。・・・いろいろとアツい家系であるな。
やさしい筆致で読みやすく、若い人たちにもぜひ読んでほしいです。