an-pon雑記帳

表現者と勝負師が好きです。

本日読了

八甲田山 消された真実

八甲田山 消された真実

碑文には、大風雪が三昼夜続いたために、道を失い飢え凍え斃れた、といういうようなことが刻まれ、五聯隊の遭難事故は天候による災害としていた。
だが、それは違う。二大隊遭難の実態を簡単にいうと、
「無能な指揮官の命令によって、登山経験のない素人が準備不足のまま知らない山に登山をした」ということなのだ。

著者は元自衛官で青森出身。
東北の雪、軍隊式訓練を身をもって知る人が書いた渾身の一作。
まったくなんという杜撰、なんという無責任。あまりのことにめまいを感じるほどだ。
読むうちに、著者の抑えきれない怒りをふつふつと感じる、大変な力作です。
ぜひ。